ゴールデンウィークも間近に迫った日本の映画業界でお祭り騒ぎになっている作品がある。
完結編のアヴェンジャーズではないし、アカデミー賞を受賞したグリーンブックでもない。
【劇場版名探偵コナン-紺青の拳-】だ。
記録的ヒットを飛ばした前作ゼロの執行人の初週興行を超え、アニメ原作で100億の壁を始めて破るのではないかと期待する声も上がっている。
…ついていけねーよ。
ここ最近の異常なコナンブームに自分が全く追いつけない。
数本しか見てないし、原作なんか久しく見ていないから完全なる独断と偏見だけど、少なくとも劇場版の名探偵コナンが面白いとはとても思えない。
そんなコナンが何故売れるのか。
主観バリバリの目線で考えてみよう。
ちなみに名探偵コナンというコンテンツを徹底的に批判した内容も合わせてまとめてみたので下記を参照してほしい。↓
→コナンシリーズをディスってみた【紺青の拳公開記念】コナンのつまらない点を分析!
劇場版コナンの近年の興行収入
劇場版名探偵コナンは1997年公開の映画【時計仕掛けの摩天楼】を皮切りに、以来1年に一度の恒例行事よろしく続編が公開されている。
もちろん国内1億部以上を売り上げる大人気コミックの劇場版とあって、第1作目から非常に高い人気を示し、人気映画の指標である10億円どころか、2013年まで非常に安定的に30億円前後を稼ぎ出している。
2018年末に公開され、シリーズ最大のヒットを飛ばしたあのドラゴンボールでさえ38億円ほどだから、これをコンスタントに叩き出している名探偵コナンがいかに凄まじいかがわかる。
しかし、近年になって異変が…。
急激な人気獲得
これまでも十分ドル箱だった本作は、2014年公開の【異次元の狙撃手】から大台の40億円を突破。
次作【業火の向日葵】で44億で、記録更新したのもつかの間、その次の作品である【純黒の悪夢】ではなんと大台の60億円を突破するという快挙を成し遂げる。
さらにこの辺りから本作人気は異常な熱を見せ始める。
次作【から紅の恋歌】で68億円となんなく記録更新したかと思えば、2018年公開の【ゼロの執行人】では90億円を突破するという驚異的ヒットを飛ばした。
国内ではあのアヴェンジャーズを超えているというから驚きしかない。
まさか20周年を迎えるアニメ原作映画がここまでの興行収入を記録するとは誰が予想したことか。
さらに2019年の新作【紺青の拳】では…。
何故売れるのか
アニメに慣れ親しんだ時代
実はこの近年の興行収入爆上がりの現象はコナンに限った話ではない。
コナンほどではないが、ドラえもんやワンピースなど、世界的に見ればドラゴンボールなど50億円超えのモンスターヒットを飛ばすアニメ原作映画が出始めている。
これはアニメが子供のみならず大人にも受け入れられ始めた昨今の産物に他ならない。
青春時代をアニメで過ごした大人たちが、子供を連れて、さらには一人でアニメ映画を鑑賞する時代では珍しくない現象なのかもしれない。
またシリーズが長く続いているため、固定ファンに恵まれているのも大きい。
メディアの影響
一度記録的なヒットを出せば(50億円超えたあたりから)メディアがこぞって取り上げる。
これはかなり影響しているとみて間違いない。
当然宣伝にもなるし、熱狂的なファンは勢いづき何度も映画館に足を運ぶ。
さらに記録が伸びるという好循環を繰り返すことになる。
ここ2〜3年、「コナンは大ヒットして当たり前だ」という風潮が蔓延しているし、流行っているから取り敢えず観ておくミーハー層にぶっ刺さっていることだろう。
腐女子の存在
名探偵コナンには所謂腐女子向けの要素がふんだんに散りばめられている。
工藤新一に怪盗キッド、服部平次など、いかにもキザなイケメンキャラとそれらが共演する際のホモセクシャル的なイメージの連想はまさにそれ。
さらに記録的なヒットを飛ばした【ゼロの執行人】では新キャラ、安室透の登場により腐女子の歓喜が頂点に達したわけだ。
アムロレイの声優が安室透…
個人的にはギャグにしか見えなかった…
物語が面白い
これは全くもって本意じゃない。
ただ映画がヒットする要因はプロモーションと口コミに分けられるから、相当に面白ければレビューサイトで高評価を得てヒットに繋がる。
名探偵コナンの良さが全くわからない自分としては納得いかないが、もしかしたら世間では面白いと思われているのかもしれない。
まとめ
完全に独断と偏見でヒットの理由を書いてみたが、どうしても作品が「面白いから」に帰着しないのは悲しいところ。
しかし現在も大ヒット街道爆進中の【劇場版名探偵コナン-紺青の拳-】。
どんなに甘く見積もっても本作が面白いとは到底思えないが、現実として大ヒットしているのは間違いない。
結局個人的な趣味嗜好が合致せず、世間の感覚とズレているだけで、名探偵コナン自体はかなりの名作なのかも…。